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2012.11.04

FI仕様リトルカブのタペット調整

調べても見つからなかったので書いておきます。

FIカブのバルブクリアランス調整(タペット調整)を自力で行おうとしたところ、エンジン外装が以前のキャブ車と異なっておりました。
「タペットアジャスティングホールキャップ」が無く、代わりにヘッド全体を覆うヘッドカバーになっています。
周辺の締め付けトルクなどもネットでは拾えない状態なので、サービスマニュアルを取り寄せてやってみました。

ヘッドカバーを取り外す必要があるため、若干難易度が高いです。正しく組まないとオイル漏れなどの可能性もあります。
工具やパーツをそろえるのも若干大変なので、なるべくバイク屋さんでの調整をお勧めします。
こちらはある程度慣れている人向けということでお読みください。


※作業に必死で写真撮り忘れました・・・ごめんなさい

ヘッドカバーを開けた際に内部にゴミなどが入るとまずいので、極力風の少ない日に作業してください。

1. 必要な工具とパーツ

  • レンチ(エクステンション付きのもの)
  • トルクレンチ(12N・mをサポートしているもの)
  • 六角ボルト用ソケット 9mm・10mm・12mm・14mm
  • タペットアジャストレンチ(□型対応)
  • シックネスゲージ(0.10mm・0.12mmを計測できるもの)
  • ヘッドガスケット

2. 前準備
まずレッグカバーを取り外してしまいます。
次に前輪を段差などに乗り上げさせておき、オイルが後ろに廻るようにしておきます。そのままでも良いですがヘッドカバーを外した際にオイルが垂れる恐れがあります。

3. クランク側のキャップを外す
エンジン左側のクランクシャフトホールキャップ(側面の大きいキャップ)と、タイミングホールキャップ(上側の小さいキャップ)を外してしまいます。
本来工具があったほうがいいのですが、無ければレッグカバー固定につかわれているワッシャーでも代用できます。

4. ヘッドカバーを外す
エンジン全面にある2本のボルト(10mm)を外します。
このボルトが折れた事例もあるとのことなので、慎重に行って下さい。
その後、ヘッドカバーを外します。ガスケットは極力交換して下さい。

5. 圧縮上死点に合わせる
エンジン側面のシャフトホールに14mmソケット+エクステンションを差し込み、左に回していきます。
上面の穴から「T」マークが見えており、かつヘッド側のカムスプロケット(チェーンがかかっている大きな歯車)の左側に「○」マークが出ている状態まで回して止めます。

6. バルブクリアランス調整を行う
エンジンから伸びているバルブステムと、ロッカーアームの間にシックネスゲージを差し込んでクリアランスを計測します。
IN側(上側)クリアランス:0.10 ± 0.02mm
OUT側(下側)クリアランス:0.12 ± 0.02mm
基準から外れているようであれば、タペットアジャストレンチなどを使用して調整します。
(詳細な手順はこちらなどを参照して下さい)

7. ヘッドカバーを閉じる
エンジンヘッドの半円型にへこんでいる部分の上下端にシール剤を塗り、新品のガスケットをはめ込んでヘッドカバーを取り付けます。
その後ヘッドカバー固定ボルトを12N・mのトルクで締め付けます。
この段階でエンジンをかけて、変な音が鳴っていないかどうか確かめて下さい。

8. クランク側のキャップを閉める
クランク上面および側面のキャップを元に戻します。

あとはレッグカバーを取り付ければ完了です。

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